2013年6月16日日曜日

Adventure Time DVD: The Complete Second Season

カバーをとればナイス・キング!!

と、いうことで、こないだAdventure Timeのシーズン2コンプリートDVDが届きました。 シーズン2のエピソードって、正直言ってこれまでの選り抜き版DVDでほとんどカバーされているからだいぶダブってるんだけど、そんなのヘッチャラ。

今回の収録内容は、

  • シーズン2の全26エピソード
  • コメンタリーつきの全26エピソード
  • Penさんによるスタッフインタビュー

といった構成です。

スタッフインタビューは「インタビュー」と銘打っているものの、実質Penさんがスタッフのみなさんにイタズラ動画を見せるだけの内容なので、インタビューって感じじゃないですね。

なので、今回の特典映像の目玉はなんといってもコメンタリー!今回はクリエイターのPendleton Wardとシーズン2のストーリーボードアーティストのみなさん(Kent Osborne, Benton Conner, Adam Muto, Cole Sanchez, Ako Castuera, Tom Herpich, Jesse Moynihan, Rebecca Sugar)、それと途中からふらりと現れたIan Jones-Quarteyのコメンタリーが収録されています。

コメンタリーといってもそこまで堅苦しい感じではなく、コーヒーやピザを飲み食いしながら雑談しているような雰囲気ですね。メンバーも入れ替わり立ちかわりといった感じ。

コメンタリーはスタッフさんの裏話を聞けるのが一番の魅力ですが、中には深刻なネタバレになるような際どい内容も含まれていたらしく、一部のコメンタリーがカットされていました。カットされた箇所ではかわりにペンさんのウクレレソングが流れるという、なかなかシュールな仕上がりに。エピソードによっては2~3分近くカットされていて、さすがにちょっと残念でしたね。

以下、コメンタリーを聞いていて気になったところを中心に、いくつかかいつまんで見ていきます。

Blood Under the Skin (邦題: 恥ずかしの試練)

この回は記念すべきチューズグースさんの初登場回!

チューズグースさん、ここんところあまり見かけないけど、この人はなんというか「魔法のアイテムのワクワク感」があって好きです。もっと出て欲しい。

チューズグースさんは歌うように韻を踏んで喋るわけですが、やっぱりそのセリフを考えるのは大変だったらしいですね。

It Came from the Nightosphere (邦題: パパは魔王)

マーセリンの犬の名前はシュワブル(Schwable)なんだとか。・・・この犬、全然出てきてないな。何だったんだろう。

Slow Love (邦題: スローな愛にしてくれ)

このエピソードは全く見返したことなかったけど、改めて見るとやっぱり面白いなあ。この辺からビーモの存在感が強まってきたんですね。

こういった「~~ Time!」っていうカードシーケンスを最近やらなくなったねという話。Penさんによると、ワンパターンな使い回しのシーンに時間を使いたくなかったとのこと。

最近やらなくなったから余計に感じるのかもしれないけど、このカードシーケンスを見ると初期のAdventure Timeの風情を感じますね。

あと、このエピソードのコメンタリーは途中からJesseさんが女の子を口説いて失敗した話で盛り上がってましたwww

Crystals Have Power (邦題: あのときのクリスタル)

ColeさんとJesseさんのコンビによる初のストーリーボード。しかしこの回は何回も修正が入った大変な回だったとか。

一番最初のバージョンでは、ジェイクが「グルーガックス」という人物の非暴力思想に感化される、という内容で、しかもツリー・トランクも出てこなかったらしい。へー。で、それをかなりギリギリのタイミングで修正して今の流れに持っていったのだとか。初ストーリーボードでそれはキツそうだなあ。

ラストのこのシーンも違っていて、最初はツリー・トランクがさらに別の悪魔にさらわれてしまって終わり、というオチだったらしいですね。いやー、でもこれはハッピー・エンドに修正されてよかった!

To Cut a Woman's Hair (邦題: 髪の毛欲しい!)

木の魔女もなかなか面白くて好きですね。こないだRock BanditsっていうiPhoneゲームに登場しているのを見てびっくりしました。

この木の魔女は"City of Thieves"(泥棒だらけの街)に出てきた魔女と姉妹らしい。

おー、なるほど。言われてみるとよく似てる。

フィンが帽子を脱ぐ衝撃のシーンはIanさんの仕事。Penさんは"make it super-anime"と頼んだとか。Ianさんはこういった表現で頼りにされてるのかな?

The Chamber of Frozen Blades (邦題: 忍者!)

70年代の忍者アニメのオマージュをとにかくてんこ盛りにした、そんな作品らしいです。

そういや、ドクター・プリンセスもここで初登場ですね。

「ドクター・プリンセスってシーズン3のこの人に似てない?」って話が出てましたが、他人の空似だそうです。うーん、まあ確かに似てるけど、同一人物ってほどじゃないなあ。

The Silent King (邦題: ゴブリンの王様)

このシーンでジェイクが入っていたのは"sensory deprivation tank"(感覚遮断タンク、フローティング・タンクまたはアイソレーション・タンク)と呼ばれるもので、五感を通じた脳への刺激を極限まで遮断することで比較的簡単に瞑想状態に入ることができるというもの。リラクゼーションや心理療法として用いられるようですね。

なんでジェイクがタンクに入っていたのかは謎ですが、とにかくこのエピソードのコメンタリーではPenさんとJesseさんが興味本位でアイソレーション・タンクを体験してきた話をずっとしてました。

Jesseさんはけっこうスピリチュアルな感覚を味わったそうですが、Penさんは「アイソレーション・タンクのくせに外の音が丸聞こえでサイアクだった。なんかタンクの内側ヌメヌメしてたし」とのこと(個人の感想です)。

Susan Strong (邦題: スーザン、君は誰?)

このエピソードも製作過程でいろいろと修正が入ったらしく、例えば最初の段階ではスーザンだけじゃなくて地下の一族全員をフィンが外に連れ出すという話だったそうですね。

挿入歌も最初はPenさんが作詞した歌があったんだけど、Rebeccaさんが自分で別の歌を書いて、最終的にそっちが使われることになったらしい。Penさんのオリジナルの歌はコメンタリーに収録されてるんですが、結構テイストが違いますね。内容も違う。

Mystery Train (邦題: ミステリー・トレイン)

"The Real You"のエピソードでフィンは剣を失っているわけですが、新しい剣はここの貨物車のシーンで初登場してるんですね。以降、しばらくこの剣を使うことになります。

この新しい剣は(特に柄がぐるぐるしてるあたりが)ちょっと複雑で、導入当初はスタッフに不評だったそうですね。

ちなみに現在(シーズン5)フィンが使っている剣はこれよりもさらにデカくて凝ったデザインをしていて、一部のスタッフから「こんなデカい剣を背負ってたら自由なアクションを描けないじゃないか!」と反発されたらしい。たしかに、アレを背負ったまましゃがんだら剣先が地面に刺さりそうな気がするけど、そのへんどうやってたっけ・・・。

Belly of the Beast (邦題: 巨人の腹)

このエピソードはとにかくIanさんが死にそうになりながら大量のクマを描いたらしい。いや、よく見るとほんとスゴい数のクマいるなあwww ダンスの動きもなるべくそれぞれ違う動きになるように頑張ったらしいです。

The Limit (邦題: ぎりぎりジェイク)

全体的にオリエンタルな雰囲気が楽しい話だけど、なんといっても衝撃的なのはこの"Acient Psychic Tandem War Elephant" (大昔の二人乗り象戦車)!!

これも最初のアイディアは「空飛ぶ自動車」というものだったんだけど、「それじゃクールじゃないよね」ということでこうなったらしい。それにしても飛躍しすぎだろ!

宝玉を守る泥の蛇は、最初は水の蛇だったらしい。ただ、迷路に土のゴーレムが登場するので、属性を揃える意味で泥の蛇に変更したのだとか。Penさんはこういった世界観に関するディテールに相当なこだわりを見せる時がありますね。

Mortal Folly (邦題: 愛は勝つ)

このエピソードも製作過程でいろいろ細かい点が変更されたようです。

ドクロのキノコ雲はIanさんとAndy Ristainoの合作。いまやリッチの忌まわしい魔力の象徴となっているドクロ雲ですが、最初はただの爆発だったらしいですね。

こういった地下鉄の駅の描写もストーリーボードの段階では無かったとのこと。こういったディテールがあるとないとじゃ雰囲気が全然違うでしょうね。

そしてこのセーター!これも元々はレーザーとかが飛び出す魔法のセーターだったんだけど、Rebeccaさんが「これはむしろ普通のセーターの方がいい」と判断して変更したそうです。うん、たしかにこのシーンは普通のセーターだからこそ圧倒的にカッコいいし、グッとくる!

コメンタリーを聞いてるとRebeccaさんは低血圧なのか?と思えるほど普段テンションが低い人なんだけど、このエピソードのコメントは珍しく興奮気味に喋っていたのが印象的でした。

Mortal Recoil (邦題: 本当に愛は勝つ?)

あ!このシーンでPenさん「萌えー」って言った!"She's moe."言うたよ!!

さすがにAdventure Timeのスタッフといえども「萌え」を知らない人もいたみたいで、「萌え」とは何かについて説明するくだりが面白かったですww

(多分Ianさん)曰く、"When you love anime, a shy cute young girl, and you wanna protect her, that's MOE"とのこと。ふふ、甘いぜIanさん・・・本場日本の萌えはもっともっと多様な進化を遂げているのだ!

しかしコンプリートDVDの締めくくりが「萌えの説明」ってどういうことなのかwww

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