Adventure Timeはシーズン5後半に入って急にいろいろな謎が明らかになり始めたと思うんですが、なんというか、自分はそれについてちょっと複雑な思いだったりするんですよね。
Adventure Timeの世界観って、謎があるからこそ奥深い魅力があるのだと思っていて、その謎を明らかにするというのは、そりゃそういう話は確かに盛り上がるかもしれないけど、それによって何か大切な魅力を削ぎ落してしまうような気がしているのです。そもそもAdventure Timeはミステリーモノというわけでもないんだから、謎を明らかにしたところでスッキリとした気分になるとは限らないし、むしろちょっと寂しいとすら感じてしまう。
で、そんなシーズン5後半でも重大な謎に切り込んだのが#138 "The Vault"。
これはこれで見た後はちょっと寂しい気分になってしまったんですが、とはいえ、謎うんぬんは置いといてイイ話だったと思う。 ネタバレ注意です。
ここ最近、あの緑色の怨霊の悪夢を頻繁に見るようになったフィン。ジェイクによると、それはフィンが無意識下に封じ込めている記憶のせいだという。そこでフィンはビーモの助けを借りて怨霊の正体を探ることにするが、封印された記憶の中で思いもよらない事実が明らかになる! という話。
突然の再登場となった緑色の怨霊。あ、でも厳密に言えば#96 "King Worm"でも出てきたし、#133 "Sky Witch"でも肖像画が出てたんだっけ。そう考えると息の長いキャラだなあ。
しかし今回のこの怨霊は本物ではなく、フィンの悪夢なのだった。ふむ、もしかすると、#64 "The Creeps"で初めて出会った時もフィンは夢を見ていたのかもしれない。
"The Creeps"の最後でフィンはこの怨霊の記憶を心の"vault"にしまい込んだんだっけ。"vault"とは「金庫室」「貯蔵庫」「地下墓所」といった意味か。なるほど。
とはいえ、悪夢があまりにもヒドいので、フィンはレディ・レイニコーンおすすめのビーモアプリ"Regression Simulator"をやってみることに。ビーモ便利だなあ!
"Regression Simulator"ってなんだろう、「退行シミュレータ」ってとこかな。よく分からないけど催眠術的な方法で前世の記憶が蘇るらしいぞ! BGMとナレーションが妙にイカすww ちなみに元ネタは"Super Hexagon"というゲームらしい。
退行シミュレータの力で前世の記憶へとダイブするフィン。そこでフィンが見たものとは・・・
フィンの前世、その名はショーコ(Shoko)。 なんと、この人物こそが怨霊の正体だったのだ。
はるか昔、怨霊となる前のショーコは一匹狼の盗賊だった。
そんなショーコに盗みの仕事を依頼する、ならず者集団「バス・ボーイ・ギャング」(Bath Boy Gang)。ターゲットは、プリンセス・バブルガムが持つという魔法のアミュレットだ。
こいつらはアレだな、ファームワールド編に出てきたデスティニー・ギャングに雰囲気がよく似てるなあ。見た目もかなり人間に近い。
で、いろいろあってキャンディ・キングダムに潜入したショーコ。どうでもいいけどショーコの相棒のホワイトタイガーかわいいなあ。
もうだいぶ頻出のパターンになってきたけど、ショーコは右腕がないですね。ショーコの右腕は、ショーコが幼い頃に親がノートPCと引き換えにしてしまったらしい。
そのことを聞いたバブルガムは、ショックを受ける。
いまだ戦争の爪痕が残る、黎明期のキャンディ・キングダム。バブルガムの使命は文字通り彼女の子どもたちである国民を守ることだという。
ここ最近のPBは(特にフレイム・プリンセス関係で)人を人とも思わない冷血発言を繰り返していて、僕はもう正直この人嫌いなんですが、ここのセリフが全てを物語っているように思える。バブルガムにとっては国民の安全と平和が一番重要なのであって、そのためならどんな犠牲も厭わないってことなんだろうな。
まー、それを考えればフレイム・プリンセスへの態度も分からなくはないですが。あの子はちょっとキケンすぎるからなあ。
ともかく、バブルガムからの信頼を得たショーコは秘密の研究室に案内される。そこにいたのは・・・
開発中のガムボール・ガーディアン!!
こいつらって、大半が機械でできてたんだ・・・。キャンディだと思ってた。
で、ショーコもお手伝いしてやって、ガムボール・ガーディアンは程なくして完成。 バブルガムはショーコの働きへのお礼として、ある品物を持ってくる。
お礼の品を持ってくる、真っ裸のペパーミント・バトラー。
な、なんだろうなこれ。キャンディ・ピープルが裸なのは普通なんだけど、それがペパーミント・バトラーだとやたらじわじわくるwww
そしてそのお礼の品とは・・・
義手! 別世界のフィンがよくつけてるやつだ、これ!
人の優しさに初めて触れたショーコの涙がほんとイイ。 よほどツラい生き方をしてきたんだろうなあ。
いやーしかし、バブルガムがこんなにも優しいプレゼントをするとは! この優しさをどうしてフレイム・プリンセスやレモングラブに分け与えてやれないのか!! それとも、ここから何百年かの間にバブルガムも変わってしまったというのか?
で、バブルガムのプレゼントに心打たれたショーコだったが、アミュレットを盗まなければバス・ボーイ・ギャングに殺されてしまう。
葛藤の末、ショーコはアミュレットを盗むことに。
しかし・・・
ガムボール・ガーディアンに見つかってしまったショーコは、毒沼へ転落、
怪物に変化したのち、そのまま生き絶えたのだった。
そしてショーコが息を引き取ったこの場所こそ、現在ツリーハウスがあるところ。
全てを理解したフィンは、ツリーハウスの床下に残されていたアミュレットをバブルガムに返し、ショーコの無念を晴らす。
うーん、最後のこの爽やかなサムアップがイイですね。
あれだけ恐ろしい怪物だった緑色の怨霊も、このエピソードを見るとほんと哀れに見えてくる。 やり切れない無念があったから化けて出たんだろうな、きっと。 でもこの話、最終的にこうやってスッキリと無念を晴らすことができたのが良かったです。
0 コメント:
コメントを投稿